第35回 『差をつける』 |
2002年7月29日 |
『“こころざし”喪失』 「経営者が志(こころざし)を失っている」 奥田碩(ひろし)トヨタ自動車会長が、厳しい顔で言いました。 奥田さんは、『日本経営者団体連合会』の初代会長として、 日本記者クラブ主催の昼食会でスピーチしました。 「三井物産が不正入札で逮捕者を出し、エンロンやワールドコム社で 不正が発覚する。実に嘆かわしい事態だ。 経営者は、社会に尽くす“心”が大事です。 “志(こころざし)”を持たない経営者は失格だ」 奥田さんは、“心の世紀”を強調しました。 話に、メリハリがある。 明快な“もの言い”が日本人離れしています。 『“検討”は廃止』 奥田さんは言います。 「いま、非常事態なのに、官庁は「見直します」とか「検討します」と言っている。 曖昧で、先送りする『官庁体質』が、改革を阻む“ツール”になっている。 私は、日本経団連の事務局に、この種の『官庁用語『を使うなと命じた」 奥田さんは、変化に対応できないと滅んでしまうので、 (1)意思をハッキリさせる。 (2)やる時間を区切らせる、この二つが前提条件だと言われた。 奥田さんは、本業の「トヨタ」で、一兆円という日本一の利益を出された。 世界で、競争に勝つリーダーには説得力があります。 『経営を若い世代に』 ジャーナリスト側から質問が出ました。 「ものづくりで、中国に負けないか?」 「日本が、先端技術の分野で絶えずリードしていけば大丈夫だ。 このためには、『産・官・学』が協力して、もっと創造力をパワーアップしてほしい。 そして、経営は、40歳代から50歳代の若手にやってもらいたい。 今は、エネルギッシュにやらないと負けてしまう。 国際会議でも、若手でないと徹夜でやり合えません」 なるほど、結局は体力・気力の勝負なのか。 日本が、“差”をつけ続けるのは大変なことだ。 『ビジョンがほしい』 「レーガン大統領、サッチャー首相も、長い年月をかけて改革を成就した。 日本は、ひどく遅れたから、改革に少なくとも10年間はかかる。 小泉改革は、まだ15点くらいだ。 小泉さんの“信念”に期待しているが、改革は痛みを与えるから、 国民を説得できる“ビジョン”がほしい」 「ウーン」小泉改革の点数が辛いなあ。 昼食会を司会したのは、杉田亮毅日本記者クラブ理事長です。 杉田さんは、日本経済新聞社の代表取締役で奥田さんととても親しい。 そこで、食事会が終わった後、コーヒーをご一緒しながら、 杉田さんに“奥田発言を”解説してもらいました。 『“経済担当副総理”』 「小泉さんは落第点なんでビックリした。 奥田さんは、石原都知事でも考えているんですか?」と私。 「いや、15点は経済についてだけ。奥田さんはガッチリ小泉支持です。 財界主流は、“石原さんでは困る”と言っている」と杉田さん。 そうか、やっぱり小泉さんか。 ならば、小泉さんに腹をくくってやって貰うしかない 「奥田さんに、経済担当の副総理を頼んだらどうです?」 「そりゃいい!ああいう人が采配を振るってくれればなあ」と杉田さん。 杉田さんは、日頃から経済に弱い小泉体制を案じています。 そして、内々小泉さんに「強力な“経済担当副総理”を置け」と提言している。 アメリカが頼りないし、本当に心配です。 小泉さん、シッカリしてくれ! |
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